「正倉院の世界」展
東京国立博物館の「正倉院の世界」展、行ってまいりました!
前期、後期の入れ替え展示があるので、両方とも見てきました。
国宝、重要文化財など見どころのある宝物ばかりです。が、ここではやっぱりガラスですね。
後期展示のガラス、目玉はこちら「白瑠璃碗」〈はくるりのわん〉。英語だと「White Glass bawl」(英語は確かにその通りなのですが、宝物感がないですね)。。
ライティングで丸カットの効果が活かされて、時を経た淡いアンバーの色が美しい輝きを見せます。6世紀頃のササン朝ペルシアのガラスということですが、その古さを感じさせません。
これを手に取った当時の人々は、陽の光や蝋燭の灯りなどをそのカットの中に無数に見た時、どんな風に感じていたのでしょう。
シルクロードを旅してきたこのガラスのドラマを思い描きました。
講師がガラスを学んでいた頃、この白瑠璃碗の複製を当時のガラス工芸研究所の所長、由水常雄先生が制作されていました。
学生時代は、研究所の加工室に制作中の複製白瑠璃碗が並んでいましたっけ。
今回、初めて本物に会いました。
写真で見ると口まわりが水平ですが、展示をぐるりと回って見ると、やや傾いているのが、当時の手作り感を感じられてなんだか微笑ましくさえ思えます。
前期のガラスでは、瑠璃壺とガラス皿。
色褪せないガラスの瑠璃色は、時をそのまま止めているかのようでした。
展覧会は11月24日までです。
。。。
by a-glassbird | 2019-11-23 08:32 | 講師のひとりごと | Comments(0)